アイデア発想の手法 ~KJ法~
KJ法とは
KJ法とは、文化人類学者の川喜田二郎氏が
研究データをまとめるために考案した手法です。
1952年~1953年に奈良県で調査をしていた川喜田氏が
「バラバラな断片情報が全て辻褄が合う形で説明できるようにしたい」と考え、
それらを体系的にまとめた手法がKJ法です。
※KJ法は川喜田氏のイニシャルから来ています
KJ法は文化人類学のみならず、様々な領域で活用され
ブレインストーミングの手法としてもよく使用されています。
本コラムでは、KJ法のやり方を説明し、
新製品や新サービスのアイデア創出方法を考えていきたいと思います。
目次
KJ法の手順
KJ法の手順は、下記の6ステップになります。
- ラベルの作成
- ラベル集め
- 表札作り
- グループ編成
- 空間配置
- 叙述化
ラベルの作成
ポストイットなどにアイデアなどを記載し、ラベルを作成します。
ラベルには、複数の意味を記載せず、1枚に対し、1枚の意味とします。
※参考文献がある場合は、情報源を右下などに記載しておく。
ラベルを作成したら、一覧できるようにラベルを広げます。
※この段階では並べ方は問わず、作成したものから順に並べて構いません。
ラベルの作成には、アイデア出しのフレームワークを用いると効率的に行えます。
ラベル集め
ラベルの作成を完了したら、
1枚ずつラベルを読み、似たラベルをグループ化します。
※ラベル集めは、機能ベースではなく、
目的ベースでグループ化することを意識して下さい。
この際、ラベルに記載されている以上のことは考えてはいけません。
なお、1つのグループに対し、ラベルは2,3枚を目安とします。
※グループに属さないラベルがあっても問題ありません。
ラベルの意味が分からなくなった場合は、記入者に意味を確認し、
意味が分かるように書き直しや補足を追加します。
表札作り
グループ化したラベルの全体感を自問自答し、表札(タイトル)を作成します。
グループに含まれるラベルの本質部分を読取、表札(タイトル)をつけるようにします。
グループ編成
グループ化した内容を再度読み直します。
グループ通しで類似のものがある場合は、
そのグループ同士を再度グループ化し、表札作りを行います。
※5、6グループになるまでこれを繰り返します。
空間配置
5~6グループまでまとめた内容を一覧化し、
グループ同士の関係性を整理します。
※空間配置は、左右対称となることが多いです。
叙述化
図解化された状態から、
他者に説明できるようにストーリを構築します
Q&A
- Q:何人ぐらいで実施するのが良いか?
A:できるだけ多い方が良いのだが、意見の集約が難しかったり、実質的に参加しない人が出てくるため、3~4人で行うのが良い。 - Q:KJ法は、テキストマイニングと同じ認識でよいか?
A:KJ法は記載されている目的で集約化するがテキストマイニングはキーワードで集約されるので異なる。 - Q:ラベルの記載内容が対立(反対意見なども含む)している場合は、どうするのか?
A:再度目的を確認し、目的ベースで集約すると最終的にはどちらのラベルも活用できるようになる。 - Q:参加者全員がKJ法を理解してなくてもファシリテータが理解していれば行えるのか?
A:ファシリテータだけでは足りず、参加者全員がKJ法の価値を理解し、基本的な方法も理解している必要がある。 - Q:KJ法の活用場面・対象課題などは何か?
A:方向性などを探る場面(コンセプト・ビジョン・目的)などを模索する時に有効である。
まとめ
本コラムでは、KJ法について解説しました。
KJ法は、アイデア創出やコンセプト設計に非常に有用な手段です。
そしてKJ法は、知識・共感の裏付けとなり、モノゴトの真因を知ることができます。
そのため、得られた結果よりもプロセスが重要となり、
最善策を求める場面においては、有用な手法であるといえます。
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