イノベーションはどの様に普及するか?
イノベーションや新製品はどの様に普及するのでしょうか?
新製品や新サービスをリリースしても中々普及せず、
苦労されている方が多いのではないでしょうか?
本コラムでは、イノベーションの普及過程メカニズムを明らかにし、
新製品や新サービスの普及方法を考えていきたいと思います。
目次
イノベーションの普及過程
イノベーションは、コミュニケーションチャンネル(マスメディア・対人)を投じて
時間過程の中で社会システムの社員の間に伝達されます。
採用者のカテゴリ
採用者は、下記の5パターンに分かれます。
- イノベータ(革新者)
- アーリーアドプタ(初期採用者)
- アーリーマジョリティ(初期多数派)
- レイトマジョリティ(後期多数派)
- ラガード(保守的な人)
イノベータ(革新者)
イノベータ(革新者)の特徴は下記の通りです。
- 商品の目新しさや最先端技術など、
「新しい」ことに価値を感じ、リスク許容度が高い - 科学的な情報源に近く、他のイノベータとも交流する
- 年齢が若く、社会階級が高く、経済的に豊かで、社交的な傾向がある
アーリーアドプタ(初期採用者)
アーリーアドプタ(初期採用者)の特徴は下記の通りです。
- イノベータよりも取捨選択を賢明に行い、
商品・サービスの「新しい」ことにだけでは採用せず、
ベネフィット(価値・恩恵)に着目し、良いと判断したものを採用 - オピニオンリーダ・インフルエンサとも言われ、周囲に対する影響度が最も高い
- 年齢は比較的若く、社会階級が高く経済的に豊かで、教育水準は高く、社交性も高い傾向がある
アーリーマジョリティ(初期多数派)
アーリーマジョリティ(初期多数派)の特徴は下記の通りです。
- 一定の時間が経ってから商品・サービスの採用を行う
- アーリーアダプタとの接点も多く、市場全体へ浸透する橋渡し的存在
(ブリッジピープル)
レイトマジョリティ(後期多数派)
レイトマジョリティ(後期多数派)の特徴は下記の通りです。
- イノベーションの普及を懐疑的に見る傾向があり、
多くの人が採用した後に採用を行う - 社会階級は平均未満で、経済的な見通しは低く、
社会的な影響力は低い傾向がある
ラガード(保守的な人)
ラガード(保守的な人)の特徴は下記の通りです。
- 変化を嫌い、最も保守的な層で、
伝統的・文化的なレベルとなるまで採用を検討しない - 社会的な影響力は極めて低い
キャズム
初期市場(イノベータ、アーリーアドプタ)とメインストリーム市場
(アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)の間には
消費者の価値感の違いから、「キャズム」と呼ばれる深い溝があります。
このキャズム前後では、採用者の価値観が異なる為、
イノベーション製品・サービスの普及において、大きな壁となります。
キャズムの克服方法
ではキャズムを超えて、普及率を上げていくにはどうしたらよいのでしょうか?
そのためには、「アーリーアドプタ」と「アーリーマジョリティ」との
価値観の違いを理解しなければなりません。
- アーリーアドプタの価値観:「製品・サービス自体は先進的か?」
(他社・他者に先行できるか?) - アーリーマジョリティの価値観:「製品・サービスは安全なのか?」
(実績はあるのか?・No.1製品か?)
上記の様に実利重視のアーリーマジョリティに売込むには、
販売重視(売上重視)でなく、
マーケットを重視(市場の創造・発見)する必要があります。
(アーリーマジョリティは、割高でもNo.1製品を購入する)
また、ニッチ市場に集中するのも効果的です。
(ターゲットカを定め、彼らが抱えている問題を解決する)
まとめ
本コラムでは、イノベーションの普及モデル及び
イノベーションの普及を壁となっている「キャズム」について解説しました。
キャズムを克服するには、下記の2つが有効です。
- 販売重視(売上重視)でなく、マーケットを重視(市場の創造・発見)する
- ニッチ市場に集中する
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