DXやスマートファクトリのビジョン構築に向けて ~インダストリ4.0とは何か?~
DXやスマートファクトリのビジョン構築にお困りではありませんか?
DX(デジタルトランスフォーメーション)化や
スマートファクトリ(Smart Factory)などを推進するにあたり、
自社のビジョン構築に悩まれている方も多いかと思います。
本コラムでは、DXやスマートファクトリと関係の深い概念である
インダストリ4.0について
筆者がドイツの連邦経済エネルギ省の方から聞いた話を基に説明することで、
DXやスマートファクトリのビジョン構築に役立てて頂きたいと思います。
目次
インダストリ4.0が誕生した背景
ドイツでは、下記の課題が問題となっており、その対応案として生まれた概念です。
- 少子高齢化
- 将来、労働人口が減る
- 資源が乏しい
- エネルギ効率は国家の命題
- 産業の空洞化
- アジア・南米諸国の台頭
- グローバル化
- 市場の移り変わりが早い
- 需要に応じた個別化(マスカスタマイゼーション)
- 先端国としてのアドバンテージ維持
- 標準化戦略
- GDPの25%中、60%が製造業
上記課題を見ると日本が抱えている課題と非常に似ているかと思います。
そのため、日本でもDX化、スマートファクトリ化を行うのは至上命題だとわかります。
インダストリ4.0の設計原則
インダストリ4.0には、下記の設計原則があります。
- 相互運用性(Interoperability)
- 情報透明性(Information transparency)
- 技術補助(Technical assistance)
- 分散型決定(Decentralized decisions)
相互運用性(Interoperability)
- モノや人に対して、機械・デバイス・センサ及び人間がインターネットを介して、相互に接続・通信を行う
情報透明性(Information transparency)
- 適切な決定を下すために必要とされる情報を提供する
- 相互運用性からオペレータは製造工程のあらゆる段階の膨大なデータや情報を収集でき、
機能性を補助し、革新や改善から恩恵を受けられる重要分野を認識できる
技術補助(Technical assistance)
- 情報に基づいた意思決定を行って問題を解決するため、
情報を総合的に集約及び視覚化することで人間を補助する - 人間にとって不快で、重労働且つ安全でない一連の業務を
CPSが実施することによって、人間を物理的に補助する。
分散型決定(Decentralized decisions)
- CPSが自ら決定を下し、可能な限り自律的に業務を実行する
※ただし、例外事項、障害事案、相反する目標がある場合は
より高位レベルに業務権限を委譲する
インダストリ4.0の技術分野
インダストリ4.0は、5つの技術分野から構成されています。
- CPS(サイバフィジカルシステム)
- スマートファクトリ
- クラウドコンピューティング
- ロバストネットワーク
- ITセキュリティ
構成技術からわかるように開発~生産までを
一気通貫で実施していくことがインダストリ4.0の肝になります。
製品開発から製造においてデジタルツイン(仮想空間上)で
情報を瞬時にやり取りすることで手戻りを少なくし、
品質向上や生産性を上げていくことを目的としています。
まとめ
連邦経済エネルギ省の方にお聞きしたときに下記の様に言っていました。
「工場の設備などを繋ぐことに注目が言っているが、一番の肝はCPSだ!
我々は30年ぐらいをかけてCPSを実現し、設計や開発を変えていくつもりである。
工場領域からやっている理由は、手を付けやすいからだ。」
この発言がわかるようにインダストリ4.0は従来のような製造領域の施策でなく、
開発・設計領域(エンジニアリングチェーン)の施策であることがわかります。
製造領域のデジタル化では、従来の内容と同じであり、
ただ表現を変えただけになります。
エンジニアリングチェーンやサプライチェーンまで範囲を広げ、
真の第四次産業革命を達成することがインダストリ4.0の目的となります。
弊社では、DX支援のコンサルティングサービス、調査サービスを行っております。
ご興味をお持ちの方は、資料請求をお申し付け下さい。
お問い合わせはこちら
市場ニーズと解決方法である技術(シーズ)の関係性を見える化する独自のフレームワーク(イノベーションアーキテクチャモデル)を活用して、アイデア創発・座組構築・製品化/サービス化まで企画~実行まで地に足の着いた方法で新規事業開発を支援しています。
(イノベーション支援、新規事業支援、共創支援、自社技術の展開支援など)